□ 僕らの小さな旅路 - 1)プロローグ 「さて、今日みんなに集まってもらったのは……言うまでもないね?」 とん、と軽く机を指先で叩き、黒髪の人物は言う。 「うん、今日こそは……なんとしても、ね」 「ああ。せめて、考えるくらいはしてくれてもいいのだがな」 その隣で、白髪の人物がボソリとつぶやく。 「さすがに私も、こればかりは力を使うわけにはいきませんから」 「そう、だね。でも、いいのかなぁ」 美しい顔をした、茶髪の女性がため息をつくのと同時に、部屋の中央に置かれた一番立派な椅子に、縮こまるようにして座っていた男が言う。 「いいんじゃないですか? そろそろ彼も、折れてくれるでしょうし」 「こ、これだけしつこかったら、ねぇ……」 遠い目をして、男はつぶやく。 確かに今まで『アレ』に耐え抜いた人物は、彼ぐらいかもしれない。 「ま、とにかくやることはわかってるんだし。さっさとやろうじゃないか」 そう言い切って、黒髪の人物はパン、と手を叩いた。 |