□ 第二巻 古き遺跡の都 - 第二章 6.向かうは首都 「に、ににに兄さんちょちょちょちょっとみらみら見られたよおぉおおぉぉぉ!」 「うるっさいんだよボケ! け、けど見られたのは、確かに……ヤバイ」 爆弾犯の二人は、あの超絶おっかない剣士がそこからびょんと飛び出しては来ないかと冷や冷やしながら、近くの茂みへ飛び込んだ。 「あそこからここに来るのはまず無理、だと思う。きちんと騙し足跡もつけたしな……」 「いろいろごちゃごちゃに走ったしね……僕もう道順忘れちゃった」 「いいんだよバカ。ここはもう終わり。さぁて、あの変な緑色なのに鉢合わせる前にさっさと次へ行くぞ」 「ふぁーい」 「気の抜けた返事すんじゃねえっ!」 「ひっは、っはい!」 そういうやりとりの後、爆弾犯たちは茂みの奥に隠しておいた、『クルマ』なるキカイに乗り込んだ。 一方が腰をベルトで固定して手のひらサイズの球体を持ち、もう一方はしっかりと手すりにつかまる。フォン、とクルマは地面から浮き上がった。 「えー、次が……あり? 最後……って、んなっ!」 「ん? あ、あーっっここここココ!」 二人は、これから自分たちがなすべきこと、その舞台を確認してがく然とした。 フォッ、と、それに反応するようにクルマが前進を始める。クルマは二人を乗せたまま、最後の舞台へ近づいていく……。 夕方、ガイルが警備員二人にがみがみお説教を受けて、ティルーナから白い視線を、ヤオタからは気の毒的な視線を受け屈辱に耐え忍んでいた頃。 そして爆弾犯二人が、オートコントロールに設定していたクルマで目的地へ嫌々ながら向かっていた頃。 「ねぇくるりんっ」 「くるりん、だ、と……」 「わっ、クリオーゼン! ねぇ、本当にもうすぐなの?」 「……ああ、辛抱してろ。それとももう降りて野宿にするか?」 「うーん、日が沈むちょっと前にしましょ。あなたも夜はあんまり目がきかないんだから」 「ふん。まぁわかった」 ヴァインドのパレセアとオープ族のクリオーゼンはところどころ休憩を交えながら、それでも目的地フレリアの目と鼻の先にまでやってきていた。 「で、完全に日が沈む前に町の影が見えたら、……がんばってね!」 「おい今お前は俺を気遣ったんじゃないのかっ。一日中飛びっぱなしでこっちは」 「あらぁクリオーゼンたら、体力と知力はいつだって万全だっていうのが口癖じゃなかったぁ?」 「ぐっぬううううううっ」 クリオーゼンの元々赤い羽毛が、さらに赤く染まったかのように見えた。ぶわりと全身の毛を逆立てて、しかし大人で寛容で真摯な(?)彼はなんとか怒りをこらえた。己のプライドにかけて。 「ふ、ふん。そんなもの朝飯、前だっ!」 「きゃっほー! さすがくるりん! じゃガンバ〜!」 「だぁれぇがぁくるりんだぁああああっ!」 「うおわああああああ!」 ……こうして、またも負けず嫌いクリオーゼンはパレセアにむち打たれるのであった。 そして、その努力のかいがあってか、フレリアまであと数時間ほどまでの場所に、彼らは達していた。 |